冬は飛行機で南に向かいましょう
カラフルで多様な個性を放つ南部諸州は、アメリカ初期の歴史との深い結びつきがあり、その多くが現代的な変化をもたらしました。
グラディス・ナイトはかつて「ジョージア行きの夜汽車に乗って」と歌っていましたが、飛行機で行った方がよいでしょう。アトランタのハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港(Hartsfield-Jackson International Airport)は、年間 1 億人が利用する世界で最も混雑した空港の 1 つです。つまり、アメリカ発着の国際線を利用したことがある人は、ジョージア州に寄港した可能性が高いということです。今回は乗り継ぎより長く滞在しましょう。レンタカーに飛び乗り、アメリカ南部の豊かな歴史と文化、国内で最も多様性に富んだ都市を巡るロードトリップに出掛けましょう。
ジョージア州アトランタ
アトランタは、夏の暑さと陽気な文化の 2 重の意味を込めて「ホットランタ(Hotlanta)」とも呼ばれており、訪れる季節にかかわらず、そのあだ名の所以を体感できるかもしれません。アトランタについて最もよく知られていることといえば、アトランタ出身の著名人の 1 人であるマーティン・ルーサー・キング・ジュニア博士などによって率いられた公民権運動の活動拠点だったことでしょう。
宿泊施設:
おすすめのグルメ情報:
- 世界最大級のドライブインレストランで、アトランタのダウンタウンの名店でもあるザ・ヴァーシティ(The Varsity)に行ってみましょう。
- 歴史的建造物のシアーズ・ローバック・ビルディング(Sears Roebuck Building)内にあるポンセ・シティ・マーケット(Ponce City Market)で、いろいろなものを少しずつ食べてみるのもおすすめです。
- ラテン風の料理を楽しみたい方は、大きなパティオがあるプブリコキッチン(Publico Kitchen)へ向かいましょう。
見どころ:
- ザ・キング・センター(The King Center)は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア博士と公民権運動に関する世界最大の資料を収蔵する博物館で、キング博士の生家が含まれています。
- ワールド・オブ・コカコーラ(World of Coca-Cola)では、世界有数の象徴的なブランドの歴史を辿ることができます。
- アパラチアントレイルの南側の公式出発点であるスプリンガー山からハイキングを始めましょう。
- 1996 年のアトランタオリンピック大会を記念して建設されたセンテニアルオリンピック公園(Centennial Olympic Park)でのんびり過ごしてみてはいかがですか。
ルイジアナ州ニューオーリンズ
途中でアラバマ州とミシシッピ州南部を通ります。アメリカ公民権運動で重要な役割を果たしたこの 2 つの州にも、歴史的建造物がたくさんあります。中でも最も有名なのがアラバマ州モンゴメリーのローザ・パークス博物館(Rosa Parks Museum)とバーミンガム公民権運動博物館(Birmingham Civil Rights Institute)です。
さらに西に進むと、アメリカ有数のユニークな都市、ニューオーリンズに着きます。独特の音楽、クレオール料理、特徴的なアクセント、多文化のルーツで知られるニューオーリンズを理解するには、現地に行って体験するしかありません。マルディグラ(Mardi Gras)の祭典は毎年 2 月と 3 月に開催されるため、ニューオーリンズに対する世間の関心はこの時期に集中しがちですが、そのお祝いの精神は、アトランタのフレンチクォーター(French Quarter)やナイトライフの中心であるバーボンストリート(Bourbon Street)で一年中感じることができます。
宿泊施設:
- マリオットバーミンガム(Marriott Birmingham)
- ニューオーリンズマリオット(New Orleans Marriott)
- W ニューオーリンズ・フレンチ・クォーター(W New Orleans French Quarter)
おすすめのグルメ情報:
- カフェベニエ(Cafe Beignet)で、ルイジアナ州公認のドーナツを味わってみましょう。
- ニューオーリンズならではのランチを体験したいなら、ガラトアーズ(Galatoire’s)へ。特に地元の人で賑わう金曜日が狙い目です。
- ニューオーリンズの伝統的なサンドイッチを食べてみたい方は、キラーポーボーイ(Killer Poboys)へ立ち寄りましょう。
アクティビティ:
- 街と同じくらいチャーミングな交通機関ニューオーリンズストリートカー(The New Orleans Streetcar)で市内を巡りましょう。
- フルール・ド・ティーズ(Fleur de Tease)では、本格的なバーレスクダンサーのショーが楽しめます。
- 10 キロメートルに渡って続くショップ、レストラン、アート街を体験したい方には、歴史あるマガジンストリート(Magazine Street)へ。
- ニューオーリンズのアートを家に持って帰りたくなったらフレンチクォーターのすぐ近くにあるパレスマーケット(Palace Market)に立ち寄りましょう。
テネシー州ナッシュビル
そこからカントリーミュージックで有名なナッシュビルに向かいましょう。グランド・オール・オプリ(Grand Ole Opry)から、カントリーミュージック殿堂博物館(Country Music Hall of Fame and Museum)、録音スタジオの見学、ライブパフォーマンスまで、音楽を体験できる場所には事欠きません。ナッシュビルは歴史や美しい自然にも恵まれており、南部の定番料理と世界各地のモダンな料理の両方が堪能できます。
宿泊施設:
- JW マリオット・ナッシュビル(JW Marriott Nashville)
- コートヤード・バイ・マリオット・ナッシュビル・ダウンタウン(Courtyard by Marriott Nashville Downtown)
- AC ホテル・ナッシュビル・ダウンタウン(AC Hotel Nashville Downtown)
おすすめのグルメ情報:
- カフェブルーバード(Cafe Bluebird)で「ヒット曲の陰のヒーロー」を見ましょう。リアン・ライムスやフィル・ヴァッサなどのミュージシャンが有名になる前にここでパフォーマンスしました。
- 昔ながらのアメリカンブレックファーストをお探しなら、1961 年よりナッシュビルで営業するパンケーキ・パントリー(Pancake Pantry)へ。
- シティハウス(City House)では、南部の食材を使ったイタリア料理が楽しめます。
- 夕食は、モダンな雰囲気の店内で世界各地のグルメを提供するモッキングバード(The Mockingbird)でどうぞ。
アクティビティ:
- ラジオ番組としてスタートし、カントリーミュージックを有名にしたことで高い評価を得ているグランド・オール・オプリでショーを鑑賞しましょう。
- カントリーミュージックの「母なる教会(Mother Church)」として知られるライマン公会堂(The Ryman Auditorium)は、ナッシュビルで必ず訪れたいスポットです。
- この地域の歴史を学びたい方は、テネシー州立博物館(Tennessee State Museum)へ向かいましょう。
ケンタッキー州ルイビル
美しい自然に囲まれたルイビルで有名なのは、おそらくバーボン、野球、そして世界的に名高い競馬「ケンタッキーダービー(Kentucky Derby)」の 3 つでしょう。まずはチャーチルダウンズ(Churchill Downs)競馬場へ向かい、続いてルイビル・スラッガー・ミュージアム&ファクトリー(Louisville Slugger Museum and Factory)をご覧ください。ここでは、かの有名な野球バットを今も製造しています。次に、この地区の 73 あるバーボン醸造所から選んで、ルイビルで人気の飲み物の製造工程を見学したり、試飲をしたりしましょう。
宿泊施設:
- ルイビル・マリオット・ダウンタウン(Louisville Marriott Downtown)
- ルイビル・マリオット・イースト(Louisville Marriott East)
- コートヤード・ルイビル・ダウンタウン(Courtyard Louisville Downtown)
おすすめのグルメ情報:
- アメリカの昔ながらのダイナーを体験したいなら、1922 年よりルイビルに欠かせないレストランとなっているワグナーズ(Wagner’s)は要チェックです。
- マークス・フィード・ストア(Mark’s Feed Store)で、ルイビル式のバーベキューを楽しみましょう。
- ケンタッキー州にとって不可欠な存在であるバーベキューとバーボンの品質にこだわる方は、ダウンタウンのウィスキー街(Whiskey Row)にあるドク・クロウズ・サザン・スモークハウス・アンド・ロー・バー(Doc Crow’s Southern Smokehouse and Raw Bar)をお試しください。
アクティビティ:
- チャーチルダウンズ(Churchill Downs)とケンタッキーダービー博物館(Kentucky Derby Museum)を訪れ、アメリカで最も長く続いているスポーツイベントについて学びましょう。
- 1920 年代創立の歴史あるルイビルパレス劇場(Louisville Palace Theater)でショーを鑑賞するのもおすすめです。
- ケンタッキー州では、バーボンの生産が盛んです。この機会に、アーバン・バーボン・トレイルを辿りながら、バーボンを飲み比べてみてはいかがでしょう。
ノースカロライナ州アッシュビル
活気のあるアートシーン、さまざまな歴史的建造物、素晴らしいアウトドアに恵まれたアッシュビルは、この地域の中でも特に魅力的です。さらに、アッシュビルは人口に対するビール醸造所の数が全米一多いので、ビール好きにはたまらないはず。多様性に富んだこの山あいの街には、アクティビティや創造性溢れる見どころが満載です。また、アッシュビルは「空の国」としても知られていますが、実際に訪れてみればそう呼ばれる理由が分かります。
宿泊施設:
- コートヤード・バイ・マリオット・アッシュビル(Courtyard by Marriott Asheville)
- AC ホテル・ダウンタウン・アッシュビル(AC Hotel Downtown Asheville)
- レジデンス・イン・アッシュビル・ビルトモア(Residence Inn Asheville Biltmore)
おすすめのグルメ情報:
- テュペロ・ハニー・カフェ(Tupelo Honey Cafe)で、アッシュビル名物のサツマイモのパンケーキを食べてみましょう。
- 田舎風の高級ステーキハウスをお探しなら、レッド・スタッグ・グリル(Red Stag Grill)へ。
- ロマンティックなデートには、ビルトモアビレッジ(Biltmore Village)でファーム・トゥ・テーブルの料理を提供するコーナーキッチン(Corner Kitchen)がおすすめです。
アクティビティ:
- 1889 年に建てられたアメリカ最大の私邸、ビルトモアエステート(Biltmore Estate)を訪れてみましょう。
- ブルー・リッジ・パークウェイ(Blue Ridge Parkway)をドライブすれば、緑と青の色彩が美しい丘陵地帯の景色を堪能できます。
- アッシュビルのダウンタウンアート地区(Downtown Arts District)でクリエイティブ精神に触れましょう。
サウスカロライナ州チャールストン
アメリカ最古の都市の 1 つであるチャールストンは 1670 年に創立されました。現在は、趣のある石畳の通りや南北戦争前の建物が残る、活気ある沿岸都市として知られています。地域でも指折りのレストランシーンが楽しめるため、お腹を空かせておきましょう。また、チャールストンでは徒歩での移動することが多いので、歩きやすい靴を持参しましょう。
宿泊施設:
- コートヤード・チャールストン・ヒストリック・ディストリクト(Courtyard Charleston Historic District)
- チャールストンマリオット(Charleston Marriott)
- コートヤード・バイ・マリオット・チャールストン・ウォーターフロント(Courtyard by Marriott Charleston Waterfront)
おすすめのグルメ情報:
- チャールストンでは牡蠣がすべて。ぜひパールズ・オイスター・バー(Pearlz Oyster Bar)で牡蠣をほおばってみてください。
- もう 1 つの南部の定番の食べ物であるビスケットを味わいたい方は、カリーズ・ホット・リトル・ビスケット(Callie’s Hot Little Biscuit)に立ち寄りましょう。
- 町で指折りのバーベキューをお探しなら、ルイス・バーベキュー(Lewis Barbecue)がおすすめです。
アクティビティ:
- プリンシパルギャラリー(Principal Gallery)やザ・ジョージ・ギャラリー(The George Gallery)など、地元で人気のギャラリーを見て回りましょう。
- 南北戦争の始まりの地となったサムター要塞(Fort Sumter)は必見です。
- チャールストン・シティ・マーケット(Charleston City Market)では、買い物はもちろん、見て回るだけでも十分楽しめます。