テキサス州マーファ：クールなカウボーイの街と世界的に有名なアートシーン

マーファはコンセプチュアル・アート・シーンとカウボーイ時代の趣が残るシックな雰囲気で知られています。旧西部時代を思わせる小さな街には、信号が 1 つしかありませんが、ギャラリーやアーティストのスタジオが点在し、パフォーマンススペースやレトロな建物、高級レストラン、移動式屋台もあります。

なかでも、アートインスタレーションは最大の見どころ。チナティ財団のコレクションはもとより、町の西にはまるでプラダの店舗のように見えるポップアート作品、プラダマーフィア（Prada Marfa）もあります。ボールルームマーファ（Ballroom Marfa）はビジュアルアートや音楽、映画の催しをはじめ、年間を通じてレクチャーやワークショップ、会合などが催されるクリエイティブなスポットです。

ジャッドの前は、有名な映画スター、今は亡きジェームズ・ディーンとの縁で知られた町でした。彼がエリザベス・テイラーやロック・ハドソンと共演した名作「ジャイアンツ」が 1956 年にここで撮影されたのです。映画ファンなら、リータ（Reata）館と広大なテキサス州の草原をバックに、古い T 型フォード（Model-T）に寝そべるジェームズ・ディーンが思い浮かぶでしょう。いまでも、同作の出演者が滞在した由緒あるホテルパイサーノ（Hotel Paisano）に泊まることができます。バーでは、ジェームズ・ディーンの役名にちなんだジェットのグリル（Jett's Grill）という有名なマルガリータが味わえます。

クリエイティブなカルチャースポットとして知られるマーファでは、映画祭や音楽フェスティバルが年中開催されています。トランス・ペコス・フェスティバル・オブ・ミュージック＆ラブ（Trans-Pecos Festival of Music and Love）は 9 月下旬に、地元のミュージシャンやアーティストが集まるエル・コスミコ（El Cosmico）で開催され、参加者はエアストリーム（Airstream）のヴィンテージトレーラーやテントに宿泊します。ビバ・ビッグ・ベンド・ミュージック・フェスティバル（Viva Big Bend Music Festival）とマーファ映画祭（Marfa Film Festival）はどちらも 7 月に開催され、出演者やアーティスト、映画監督、一般の参加者が世界中から集まります。

どの都市からも遠く離れ、最寄りの空港から 3 時間もかかるマーファの自然環境は、静かな隠れ家やアウトドアレジャーを望む観光客にうってつけです。

マーファから 160 キロメートル下にあるビッグベンド国立公園（Big Bend National Park）は、最高のハイキングスポット。色彩豊かな渓谷に彫刻のようなサボテン群や多様な動物たちが生息する雄大な秘境で、他では体験できないキャンプやハイキングが楽しめます。

世界有数のマクドナルド天文台（McDonald Observatory）では、真っ暗な夜空に輝く満天の星を観察することもできます。マーファから約 48 キロメートルの場所にある同天文台は、世界最大規模の望遠鏡をいくつも備えており、昼間のツアーはもちろん、夜間の観察会も定期的に催行しています。

夜の光といえば、ミステリアスな「マーファライト（Marfa Lights）」抜きにはマーファは語れません。光源が見当たらないのに、地平線にきらめく不思議な光は、いまだに解明されていない現象です。車のヘッドライトや電灯ではないかと言う人もいますが、こうした文明の利器が発明されるずっと前から、ネイティブアメリカンの記録に残っています。これが何の光なのかは誰にも分かりませんが、夜になるとたいてい見ることができます。公式なマーファライト観測エリア（Marfa Lights Viewing Area）は町から約 15 キロメートル離れたハイウェイ 90 号線沿いにあります。

テキサス州のカルチャーをもっと体験したいなら、ダラスやフォートワースのミュージアムシーンもチェックしましょう。