オクラホマ州のカウボーイ文化とカウボーイ＆西部歴史博物館

開拓者精神が強いオクラホマ州は、数百万人もの入植者たちが定められた開放日よりも前に州中央部に押しかけ、土地を奪い合ったことにちなみ、「抜け駆けの州」（Sooner State）という愛称で呼ばれています。こうした新しい居住者の冒険家気質と、この地の先住民の文化や伝統が混ざり合い、現在のオクラホマ州のカウボーイ文化が出来上がりました。

オクラホマ州を訪れると、昔ながらのカウボーイの暮らしを体験できます。ローピングや家畜追い、乗馬のほか、ケントンにあるヒッチング・ポスト・ランチ（Hitching Post Ranch）などのゲストランチで、星空の下キャンプファイアーを囲みながら食事を楽しんではいかがでしょう。または、このような体験は本物のカウボーイに任せ、カウボーイとカウガールが妙技を披露するアクション満載のロデオを見学するのもお勧めです。毎年 7 月にパフスカで開催される世界最大のアマチュアロデオ大会、インターナショナル・ラウンド・アップ・クラブ・カバルケード（International Round Up Club Cavalcade）や、8 月に開催されるウィル・ロジャース・メモリアル・ロデオ（Will Rogers Memorial Rodeo）などで見ることができます。毎週月曜日には、オクラホマシティーの歴史あるストックヤードシティにある世界最大の家畜市場で、畜牛のオークションをライブで見学できます。その後、近くにあるラングストンズ・ウェスタン・ウェア（Langston's Western Wear）へ行き、四角い爪先のカウボーイブーツやステットソン（Stetson）のカウボーイハットなど本格的なカウボーイ衣装をそろえましょう。

設立以来、カウボーイ＆西部歴史博物館には世界中から 1,000 万人以上の人が訪れ、カウボーイの歴史やアメリカ西部の文化への理解を深めてきました。1955 年に設立されたこの博物館では、熟考を重ねて収集された西部の芸術作品のコレクションが展示されているほか、カウボーイ、ロデオ、アメリカ先住民文化やビクトリア様式の銃火器、西部劇の役者に焦点を当てた体験型の展示もあります。扉を入るとすぐに荘厳な風景に心を奪われます。正面に見えるのは、高さ 5 メートルのドラマチックな像、馬の背に乗る疲れ果てたカウボーイを表した「エンド・オブ・ザ・トレイル（End of the Trail）」です。ギャラリー内には常設展もあります。アメリカン・カウボーイ・ギャラリー（American Cowboy Gallery）では、スペイン植民地時代から 20 世紀までのカウボーイの歴史が紹介されており、牧場の設備や鞍、拍車、衣装の変遷を見ることができます。

ネイティブ・アメリカン・ギャラリー（Native American Gallery）では、複雑な芸術作品や工芸品、伝統的なドレスなどを通じて、オクラホマ州の先住民たちの歴史が学べます。西部開拓時代を表現した絵画、彫刻、グラフィックアートなどの美術品を鑑賞するなら、アート・オブ・ザ・アメリカン・ウェスト・ギャラリー（Art of the American West Gallery）へ。また、ハリウッドによって映画や文学の中で描かれる西部開拓時代に焦点を当てたウェスタン・パフォーマーズ・ギャラリー（Western Performers Gallery）では、魅惑的なビンテージ物の映画ポスターや象徴的な衣装に夢中になることでしょう。

常設展のほかに特別展もあり、何度訪れても飽きることはありません。また、ダブ＆モジール・リチャードソン・シアター（Dub and Mozelle Richardson Theater）などで大人向けの講義が開催されているほか、バンダナやミサンガを作るアート&クラフトプログラムや、読み聞かせ、イラスト教室といった子供向けのプログラムも多数用意されています。

カウボーイ＆西部歴史博物館はオクラホマシティーの北東部、州間高速道路 44 号線と 35 号線のジャンクションにあります。州間高速道路 44 号線からは、129 番出口をマーティン・ルーサー・キング・ブルバード（Martin Luther King Boulevard）方面へ降ります。北へ向かって 63 番街まで行き、左折して西へ向かうと博物館の入口があります。