音楽のルーツ：テキサス州サンアントニオ

テクスメクス音楽のパイオニアであるダグ・サームの息子、ショーン・サームは、サンアントニオの音楽シーンになくてはならない存在です。ショーンのバンド、ザ・テクスメクス・エクスペリエンスは、父親が残した躍動感あふれるテキサススタイルのロックンロールを受け継いでいます。そして、ショーン自身も、音楽業界にも独自の功績を残しました。ジュニア・ウェルズ・バンド、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのダグ「コスモ」クリフォード、ジョニー・コープランド、ロイ・ヘッドといった伝説のパフォーマーと同じステージに立ちました。

サンアントニオの旅の出発点としてショーンがおすすめするのは、ダウンタウンのすぐ北にある人気店、サムズ・バーガー・ジョイント（Sam’s Burger Joint）。バーガーも有名ですが、サンアントニオ最高のミュージックルームとされるこの店は、優れたサウンドシステムと、遮るもののない眺め、多様なラインアップが魅力です。歴史に詳しい方は、ダウンタウン中心部にある 2 つの素晴らしい劇場に足を運んでみましょう。サンアントニオ最古かつ最大のマジェスティック（Majestic）は、1929 年にスペイン地中海様式で建てられた劇場です。さらに、歴史あるアズテックシアター（Aztec Theater）は、メソアメリカ様式の劇場です。

音楽好きなら、ジョン・T・フロアー・カントリー・ストア（John T. Floore Country Store）も外せません。ウィリー・ネルソンの音楽が生まれた場所として知られる、テキサスらしいホンキートンクです。サンアントニオの西のライブオークに囲まれたこの場所で 75 年以上操業を続けるこの店は、ハンク・ウィリアムズ、エルビス・プレスリー、ボブ・ディラン、マール・ハガードといった伝説のミュージシャンが演奏してきた場所です。テキサスのホンキートンクとして、有名な公演だけでなく、テキサス流カフェならではの充実したフードメニューと冷えたビール、そしてここでしか味わえないテキサスらしい個性ある雰囲気が楽しめます。

「ひとつ星の州」とも呼ばれるテキサス州は牧場も多く、テキサスビーフが有名なほか、バーベキューは国内でも評価が高いのが魅力です。ステーキとシーフードなら、樹齢 500 年を超える大きなオークの木が屋根を突き抜けてそびえるジョセフィンストリート（Josephine Street）がおすすめです。サンアントニオは本格的なテクスメクス料理も有名で、ガルシアズ（Garcia's）とラフォガータ（La Fogata）では、記憶に残る昔ながらのダイニングが楽しめます。

サンアントニオは、音楽、食、歴史だけでなく、美しい自然も魅力です。美しいリバーウォークことパセオデルリオ（Paseo del Rio）は、サンアントニオ川（San Antonio River）沿いの散策と同時に、バーや店、レストラン、公共アートが楽しめる場所です。市街に少し車を走らせると、景色が美しいヒルカントリーがあります。ここで、美しい小さな町と大きな空、象徴的な地形、物語に出てくるような農場に出会うことができます。田舎に向かいながら、グルエネホール（Gruene Hall）を目指してみましょう。サンアントニオから約 30 分のところにある昔ながらのこの場所で、今も定期的に演奏するというウィリー・ネルソンに出会えるかもしれません。

サンアントニオを最も象徴する観光名所のひとつにアラモ（Alamo）があります。アラモは 300 年前にスペインが建てた伝道所で、1836 年の戦いで知られる場所です。国内で最も人気のある史跡のひとつであり、毎年 400 万人以上がここを訪れます。敷地内には、チャペルのほか、絵画や武器、その他テキサス革命の遺物が収められたロングバラック博物館（Long Barracks）があります。

最も多くの旅行者が訪れる場所には、それなりの魅力があります。でも、表面的なもの以上に、この古い街には独自の魅力があります。人種と文化が集まる現代、サンアントニオでは文化の交差点として、スペイン語と英語、その混合が日常的に話されます。独自の音楽と食を誇り、音と味を育ててきたこの街では、テキサス流のおもてなしも満喫できます。