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ノースランズ
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  • 州:
    ニュージャージー州

世界最大の鉄道模型は信じられないような功績です。

鉄道模型のセットは、線路全体がテーブルの上におさまるくらいの、比較的小さなものであることが多いですが、ブルース・ザッカニーノの場合、この小規模な趣味は超大型になりました。

40 年前に自宅の地下室で始めた鉄道模型セットはどんどん大きな展示になり、ブルースは地下室をもう 1 つ作る羽目になりました。最終的に、地下室を 5 回にわたって増築することに。しかしそれはまだ序の口で、何かもっと大きなことが始まる前触れに過ぎませんでした。当初、ブルースは地下室を 1 年に 2 回一般公開し、その収益を慈善団体に寄付していました。見に来た人々からの評判がよかったため、ブルースは今こそ「世界に発信する」ときだと決意し、そうしてノースランズ(Northlandz)が誕生しました。

アメリカの素晴らしい鉄道ミュージアム

ノースランズは、世界でも最大規模の鉄道模型であり、人々は口々にこれはもはや奇跡だと口をそろえて言います。「アメリカの素晴らしい鉄道ミュージアム」では、数千両の鉄道車両を牽引する蒸気機関車 135 両が 12 キロメートルの線路を走り、長さ 12 メートル以上の橋を渡っています。

ブルースが作成したおかしなシーンを説明する面白いキャプションからわかるとおり、彼にはユーモアのセンスがあります。たとえば、採掘会社の土地の買収に応じず、周囲をすべて採掘されて細長くなった土地に今もなお家を構えている老婦人、といった具合です。また、1 歳 6 ヵ月の子供が展示物に登って背景の一部を壊してしまったとき、ブルースはそのエリアを壊れた線路と脱線した列車で、ミニチュア列車の事故現場に変えてしまいました。4,000 軒の建物、400 本の橋、50 万本の苔むした木々、9 メートルの山に囲まれた中には、「つまようじの農場」や離れの工場もあります。

あちこちに置かれた鉄道のゆかりの品々に加えて、200 体を超える人形や地元のアーティストによる芸術作品を集めた、一見したところ統一性のないコレクションも収められています。オルガン奏者であるブルースは、意匠を凝らした 300 席のコンサートホールで毎日パイプオルガンを演奏しています。

ノースランズでは、ブルースはクリエイター、エンジニア、芸術家、音楽家、収集家と複数の肩書きを持ち、その日に一番ぴったりくる肩書きを使います。皮肉なことに、ブルースはこれを芸術とエンターテインメントに対する愛として始めたのであり、鉄道が好きなわけではありませんでした。実際に、鉄道には一度も乗ったことがないと明かしています。

旅行の前に知っておきたいこと

屋外には実物大の狭軌鉄道があり、追加料金を支払って乗車できるようになっています。呼吸器疾患をお持ちの方への注意事項:ノースランズに展示されているような巨大かつ手の込んだ展示品を清潔に保つことはほぼ不可能も同然です。建物に換気扇は設置されているようですが、空気そのものをはじめ何もかもがとても埃っぽいのでご注意ください。

旅行サイト『アトラスオブスキュラ』(Atlas Obscura)に掲載された書き下ろし記事です。

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