マサチューセッツ州エセックス郡：海洋の歴史と美しい自然

エセックス郡は、アメリカ初期の家が他のどの地域よりも多く残るというユニークな特徴を持つ場所です。 この事実を踏まえると、セーラムを訪れるのが一番でしょう。ここでは、ニューイングランドに残る最古の木造建築の邸宅を見ることができます。 1668 年に建てられたザ・ハウス・オブ・セブン・ゲイブルス（The House of the Seven Gables）は、信じられないほどの美しさとミステリアスな雰囲気の両方を兼ね備えた建物です。ダークな色調の木目の外装が、魅力的で色彩に富んだ庭園と見事なコントラストを描いています。 海岸沿いの歴史的な邸宅を多数訪れたナサニエル・ホーソーンが、後にこの邸宅と同名の小説を書くに至った理由は明らかです。

セーラム魔女博物館（The Salem Witch Museum）を訪れずして、セーラムの旅は完了しません。 ここは、セーラムの驚くべき魔女裁判が再現されている印象深い博物館です。不名誉な重罪判決を下した 1692 年の裁判を見学客に紹介するため、実物大の舞台設定や感情を表現した語り口など、工夫をこらしたわかりやすい展示が行われています。

ボストンの北の地域は、魅力的な海洋の歴史でも有名です。 グロスターでは、現在も息づく海辺の豊かな歴史を感じることができました。 到着した日の朝、慌ただしく活気に満ちた海辺では、地元の人も観光客も同じように、晴れた空の下に広がる美しい青い海を楽しんでいました。 グロスター港（Gloucester Harbor）には、ヨット、釣り用のスクーナー船、こぎ舟など、さまざまな大きさの船があちこちに浮かんでいます。 すぐ近くでは、ホエールウォッチングツアーが出向の準備を整えていました。船上では、豊富な知識を持つガイドによる海洋生物に関する説明に客も興奮気味です。

港のそばにあるザ・フィッシャーメンズ・メモリアル（The Fishermen’s Memorial）にも立ち寄ってみました。「舵を取る男」（Man at the Wheel）とも呼ばれている像は、街の 300 周年を記念して 1923 年に建てられたものです。 像の出で立ちは、思わず引き付けられるほど印象的。多くの観光客がこの像の前で立ち止まり、記念碑に書かれた長い説明文を読みながら、海で遭難した数千人もの地元漁師に思いを馳せます。 2001 年にはこの近くで、勇敢な漁師たちを支えた妻と家族の栄誉を称え、フィッシャーメンズ・ワイブズ・メモリアル（Fishermen’s Wives Memorial）の除幕式が行われました。

観光で動き回った後は、すっかりお腹が空いてしまったので、ウッドマンズ・オブ・エセックス（Woodman’s of Essex）という伝説のレストランにランチを食べにいきました。 開業 100 周年で、受賞歴のあるこのシーフードレストランは、1916 年に揚げハマグリを考案したことで有名です。 揚げハマグリを 1 皿注文して、屋外の席につき、エセックス川（Essex River）と塩沼の壮大な景色を眺めました。 5 代目になる現在も、ウッドマンズの揚げハマグリはこれまで食べた中で最高です。 思わず笑みがこぼれてしまいました。楽しさでいっぱいだったマサチューセッツ州の旅の最後を飾るには、うってつけです。ボストンの北の地域で、美しい自然に囲まれ、豊かな歴史の 1 片を味わう、そんな締めくくりとなりました。