先住民チャモロ人の深い文化と歴史を学ぼう！

イナラハン湾を背に立つ伝統的なわらぶき屋根が軒を連ねる、ゲフパゴ•チャモロ文化村。一歩足を踏み入れた途端、まるで過去にタイムトラベルしたような感覚に落ち入ります。尊敬を示し「Antie」と呼ばれるチャモロ人の年輩者たちが温かく迎えてくれるこの村では、１９００年代前半当時のチャモロ人の生活様式を体験することができます。長い間この村でヤシの葉の工芸品を作り続けている、８８才のチャモロ人女性、フロ•ポリノさん。「こうして毎日工芸品を作るのが楽しくて」と言って笑う彼女の笑顔が大変印象的でした。鉄の釜から流れる煙の匂いをかぎながら、わらぶき屋根の下で座っていると、まるで当時のチャモロ人になったような気分にさえなりました。他ではなかなか経験できない貴重な体験でした。

チャモロ文化を経験する別のチャンスは、ビレッジフィエスタです。これは1600年代後半に始まった伝統で、ホストファミリーが地元のお料理を用意し、家族、友人を呼んでお祝いします。

太平洋戦争国立歴史公園にあるTステル•ニューマン•ビジターセンターは、第二次世界大戦のグアムの歴史を語る博物館で、通常の博物館と違い、大変インタラクティブです。誰にでも分かりやすいように工夫の凝らされたディスプレーやレコーディングによって、退屈する間もなく、気がつくと歴史にのめり込んでしまいます。当時の軍服やヘルメットなどを実際に手に取ったり、試着したりもでき、楽しみながら当時の様子を学ぶ事ができました。日本語でも放映される１０分間の映画、「グアムの戦い」では、第二次世界戦のグアムの歴史を深く学ぶ事ができます。避けては通れない過去、歴史を知るには立ち寄らなければならない博物館です。 

また、歴史好きの私は、歴史探求にラッテストーン公園に行ってみました。公園に足を踏み入れると、視野を塞ぐように立ち並ぶラッテストーン。ラッテストーンは古代チャモロ時代に家屋の基盤に使われたと言われています。誰にじゃまされることなく、手で触れてみたりすることができ、なんだか史跡を生で感じるような不思議な体験でした。

タモン湾に突き出す展望台から見られる絶景 ー 「見事」の一言しか当てはまらない、広がる海のパノラミックな眺めに完全に息を取られます。くの字に突き出た頂点に立って下を向くと、遠い海の床に足がすくんでしまいます。と同時に、当時一緒になることが許されず永久の愛を求めて海に身を投げたチャモロ人の２人の伝説のストーリーが頭をよぎり、真実と永遠の愛の強さを改めて知らされる気分でした。自分たちにもその永遠の愛を、との願いを込めて、ここを訪れる恋人たちはフェンスに自分たちの名の書かれた鍵を残していきます。フェンスにぎっしりと詰めらた鍵を見ていると、それらの愛は身をなげたチャモロ人の２人の魂によって守られているような気になります。大切な人と一緒に一度は訪れたい場所です。

様々な文化や歴史の跡が存在するグアム。この美しい島の「もうひとつの顔」が、私の知識と見解の幅を広げてくれました。